就活生に贈るシリーズもいよいよ最終回となりました。
最終回は、スーツを着る上でのルール、特に細かい点で見落としがちなものをピックアップします。
就活生がやりがちな間違いと、やったほうが印象を良くするちょっとしたポイントに絞って、書いていきます。
シリーズ目次
- その1 導入〜靴について
- その2 ネクタイとシャツについて
- その3 ネクタイの結び方について
- その4 スーツのルール ←いまここ
就活生によく見受けられる、大きな間違いふたつ
では早速、就活生がやりがちなスーツのルール違反について。
以下の2つの間違いは本当によく見るので、ここを押さえているだけで周りと差がつきますよ。
ジャケットの一番下のボタンは閉めない
私はまずこれで就活生とサラリーマンを見分けています。
そのくらい、就活生がよくやる間違いです。
スーツでなくとも、ラペル(襟)のついたジャケットでは、一番下のボタンは飾りボタンです。
一番下は閉じてはいけません。
ボタンが開いているとだらしがないと思いがちですが、むしろ閉めていると世間知らずの雰囲気が拭えません。間抜けです。
何より座った時に窮屈ですし、裾が自然に分かれないのでジャケットの前が押し上げられて不恰好です。
また、ここ数年の流行りからは外れているのであまり見ませんが、アメリカン仕立ての三つボタンで、上のボタンも留めている人がたまに居ます。
アメリカン仕立ての三つボタンジャケットは、一番上のボタンは隠しボタンです。
なので、真ん中のボタンだけを留めるのが正解です。
アメリカン仕立て以外の三つボタンでは、上から2つを留めるのが正解です。
ポケットのフラップは出す
気にしていない学生が多すぎます。
ポケットのフラップは出しましょう。
フラップを仕舞うのは、本当に礼装の必要がある場合のみです。
基本的に、白か黒のネクタイをしなければならない場合以外では、フラップを出しておきましょう。
冠婚葬祭では、礼装が求められますので、フラップをしまいます。
よく、左右片方だけフラップが出ていたり、フラップが中途半端によれていても気にしていない人が居ますが、言語道断です。
身だしなみの1つだと思って、常に気を配るようにしましょう。
ネクタイはきちんと締めよう
ここからは、よく見る程ではないですが、気をつけたほうがいいポイントを。
冒頭の画像、よく見てください。だらしない印象がありませんか?
ネクタイが緩んでいるだけですが、それだけで印象は悪くなってしまいます。
ネクタイはきちんと締めましょう。
また、ネクタイをしているのであればシャツは第一ボタンまできちんと閉め、第一ボタンを外すのであればネクタイは外しましょう。
ネクタイを緩めて第一ボタンを外しているのは、やる気のない高校生だけでいいです。
大人なんだからきちんとしましょう。
スーツのサイズ
購入する時に試着もするでしょうし、スーツのサイズが合わないということはあまり無いとは思いますが念のため。
スーツは肩で合わせるものですから、肩が落ちたり、つれたりしていないかを確認しましょう。
その次に気をつけたいのが、袖の長さです。
ジャケットの袖口から、シャツが1センチ〜1.5センチ程度覗く程度の長さにしましょう。
ワイシャツはもともと、上着が肌に触れて汚れないように着る下着が起源です。
なので、ジャケットの袖口が手首に触れないよう、ジャケットの袖はシャツよりもわずかに短く仕立てるのが普通です。
あと、最近増えてきた、ラペル(襟)やスラックスが極端に細いものも、就活には不向きでしょう。
そういうスーツが着たいなら新宿歌舞伎町あたりに就職すべきです。
ラペルは適度に幅のあるオーソドックスなものを。
スラックスはスリムであっても、まっすぐ立てば折り目が上まで綺麗に通る程度の太さを選びましょう。
ポケットは物を仕舞うところじゃない
はい。見出しのとおりです。
スーツのポケットには(ジャケットもスラックスも)せいぜいハンカチしか入れてはいけません。
型崩れや余計なシワが出て、だらしない印象になってしまいます。
胸ポケットを活用してお洒落に
というか、ジャケットの胸ポケットはチーフで飾るためにあるので、本来はチーフを入れるべきなのですが。
この連載はテーマを就活に絞って書いているので、チーフを使うことはおすすめしません。
どうしてもチーフを使うなら、ネクタイと同系色の暗い色で、レクタングル程度が無難でしょう。
間違ってもスリーピークスとかやってはいけません。
で、オススメしたいのが、ペンです。
プラスチック製の事務用ボールペンじゃないですよ。
そんなもん差してたら事務のオッサンです。
仕事の時はサッと取り出せますし、事務用ボールペンでもいいのですが、面接に臨むのには不向きです。
人と会う時に胸ポケットに挿すのは、金属クリップの、できれば高級筆記具と呼ばれるメーカーのボールペンがいいでしょう。
とはいっても学生があまり高いペンを見せびらかしてもおかしいですから、5000円程度までの中で、自分で使いやすいペンを選びましょう。
ノック式より回転式の方が、頭が低くなるので、ポケットに挿した時に安っぽくなくてオススメです。
クロスとかパーカーといったメーカーなら、就活生が持つのに十分じゃないでしょうか。
↑これとかオススメ。
おわりに
長らくお付き合いいただきありがとうございました。
ここまで書いてきたことを意識するだけで、スーツを着るあなたの印象はだいぶ変わると思います。
スーツを着慣れている感じは、そのまま自信や落ち着きとして受け取られます。
できれば普段からスーツに近い装いをして、スーツの動きに慣れておくと更に効果的でしょう。
就職の面接はイメージだけ、印象だけでどうにかなるものではないでしょうが、印象が悪ければ売り込めるものも売り込めません。
持てる長所を最大限に活かすために、私のこの連載が少しでもお役に立てれば幸いです。
同期、先輩を含め、現在就職活動を頑張っている学生諸君の健闘を祈ります。