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【レビュー:本】クローズド・ノート

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タイトル:クローズド・ノート
作者:雫井脩介
出版社:角川文庫

今更感があるが、軽い気持ちで読んでみた。
万年筆ファンとして、昨今のブームの火付け役となったこの本に、それなりの期待はしていた。

前半部分は、万年筆を中心に物語が展開していくのだが、登場する万年筆は高級モデルがメイン。
主人公の女の子が愛用しているのがデルタのドルチェビータ・ミニ。2009年3月現在、定価60,900円というもの。
また、主人公のバイト先の先輩もミニ・オプティマ(定価50,400円)と…

しかもヴィスコンティのファン・ゴッホとか出てくるし。。。

万年筆の買い方とか、かなり詳細に描写されているので、これを読んで万年筆が欲しくなる人が増えたのも納得。

物語としては、まず万年筆、日記、絵がキーのよう。
ただ、万年筆で書かれた日記が登場するのだから、文字のインクの濃淡や色、筆跡などを、もっと心理描写に活用しても良いんじゃなかろうか。
万年筆は独特の筆跡がある筆記具なのだから。
後半になるとノートの主が万年筆で日記を書いていたことを忘れてしまうくらいに、描写が少ない。

単純に恋愛小説として書かれたものであれば、前半の万年筆に対する詳細な描写は無駄なボリュームがある。
その代わり、最後のシーンにもっと枚数を割いて詳細に書いて欲しかった。

なんとなく、登場人物それぞれのストーリーに竜頭蛇尾な感の残る小説。
恋愛小説としてはストーリーも心理描写もありきたりで、ありふれたもの。
万年筆小説(そんなジャンルはないが)としては万年筆の世界を十分に活かしているとは思えない。
ただ、万年筆を知らない人に、その良さを知るきっかけとして読んでもらうには最適だろう。

あとがきを読んで知ったのだが、作中に出てくる女性教諭の日記は実在しているらしい。
その日記を元にしたという着想が斬新なだけに、なんとなく中途半端なストーリーが非常にもったいない。

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